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数学推論データセット

LLMの数学推論能力を、“最終答”ではなく“解き方(過程)”から改善するデータセット

複数ステップの計算や厳密な解答形式を要する数理タスクでは、途中式の省略・論理の飛躍・形式違反が依然として残ります。本データセットは、最終答の正誤だけでなく思考過程(Chain-of-Thought)の各ステップに正誤ラベルを付け、「どこで間違えたか」を学習信号に変えるプロセス監督(PRM)を可能にします。PRM(ステップ正誤分類)と CLM(次トークン予測)を LoRA でマルチタスク学習させる形式に最適化しています。

主要点
  • 過程を監督できる構造:問題・正解・生成解答に加え、各ステップの本文と正誤ラベル(correct / incorrect / unclear)を収録。最終答が合っても“途中で崩れた”解答を検出・学習できます。
  • 途中破綻の典型例まで収録:前半は正しく最後で崩れる(partial_correct)といった実際の誤答パターンを含み、単なる正解データより誤り局所化に強い学習が可能です。
データセット概要

自動生成と人手検証を組み合わせた JSONL 形式の数理推論データです。各レコードは problem(問題)/expected_answer(正解)/generated_answer(モデル生成解答)/answer_match(最終正誤)/step_evaluations(各ステップの step_textverdict)/metadatastep_evaluation_category など)で構成されます。verdict は correct / incorrect / unclear の3値。思考過程は最低2ステップ、2〜8ステップで刻んでいます。サンプルデータを Hugging Face(APTOinc/llm-math-reasoning-dataset、Apache-2.0、Parquet)で公開しています。

ジャンル構成

思考プロセスが特定分野に偏らないよう、問題を ①解析 ②代数 ③幾何学 ④確率・統計・離散数学 の4ジャンルに分けて収録しています。

途中破綻の可視化(データ例)

本データの価値は step_evaluations.verdict に集約されます。例えばある幾何問題では、前半の座標設定〜面積導出は correct が続く一方、「面積が整数になる」数論的条件だけで範囲を決めてしまい、幾何的制約を見落とした後半3ステップが incorrect。結果として誤答(差を300と結論)になります。前半は合っているため partial_correct に分類されます。こうした「途中で崩れる」例を学習に使うことで、誤りの局所化に強いモデルを育てられます。

品質管理(自動採点+人手検証)

最終回答は Math-Verify(SymPyベースの数式同値判定) で採点し、1/√3 と √3/3 のような表記違いを同一視して answer_match を安定化します。過程テキストは評価ガイドに基づき3値ラベルを付与し、判断に必要な情報が足りないケースは unclear として明示的に保留。人による検算も行い、推論過程の品質を担保しています。

学習・評価と成果

学習は PRM(step_text→verdict の3クラス分類)+ CLM(次トークン予測) を LoRA でマルチタスク実施(ベースモデルは主に凍結)。評価は AIME 2024・2025(各30問)で、出力のばらつきを考慮し各問4回生成の平均を比較します。openai/gpt-oss-20b に適用したところ、AIME 2024:26.7%→36.7%(+10.0pt)/ AIME 2025:33.3%→43.3%(+10.0pt) と改善しました。ライセンスは Apache-2.0 です。

AIME — 学習前後の正答率
01
AIME 2025
正答率。33.3% → 43.3%(+10.0pt)
1043.3
02
AIME 2024
正答率。26.7% → 36.7%(+10.0pt)
1036.7
実測値。検証は openai/gpt-oss-20b のみ(各30問・4サンプル平均・Math-Verify採点)。

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