医療データセット
医療分野のLLMには、正確性はもちろん、不確実な状況での対応・緊急時の受診勧奨・情報の過不足のなさといった、単なる知識量では測れない品質が求められます。本データセットは、OpenAI が公開する医療評価ベンチマーク HealthBench の評価軸(5つの行動次元・7つの医療テーマ)に沿ったマルチターン医療対話で構成し、SFT と DPO の2段階で回答品質を引き上げるために設計しました。20BのオープンモデルでGPT-4o級のスコアに到達しています。
医療シナリオのマルチターン対話(1件あたり概ね5〜8ターン)を中心に構成します。用途に応じて SFT用(instruction–input–output 形式)/DPO用(chosen–rejected 形式)/チャット形式SFT を用意。元データはロール付きの会話(conversation)に、テーマ(theme)・言語(language)・想定利用者(persona)・医療リソース環境(resource)のメタ情報を付与しています。評価は HealthBench 公式の 48,562件のルーブリックに基づく多軸採点で行います。

HealthBench に対応し、以下7テーマを網羅します:緊急時の受診勧奨(emergency_referrals)/ 不確実性下での対応(responding_under_uncertainty)/ グローバルヘルス(global_health)/ 医療データ処理タスク(health_data_tasks)/ 回答の深さ(response_depth)/ 文脈の確認(context_seeking)/ 専門性に応じた説明(expertise_tailoring)。緊急対応・不確実性への対処が全体の約4割を占め、実際に判断を誤ると危険なシナリオに重点を置いています。

HealthBench は回答を accuracy / communication_quality / completeness / instruction_following / context_awareness の5軸で採点します。DPO データはこの軸に沿って「どの軸に違反した回答か」で構成し、正確性(accuracy)違反を最優先(DPO全体の約4割)に学習させることで、医学的に誤った・危険な回答を選好的に排除します。

第1段階の SFT で医療ドメイン知識と適切な回答パターンを習得し、第2段階の DPO で回答の質(特に正確性)を引き上げる2段構成です。学習は LoRA を用い、SFT→DPO の順で段階的に適用します。各段階で HealthBench 評価を挟み、テーマ別・軸別に弱点を確認しながら調整できる設計です。
openai/gpt-oss-20b に本データセットを適用し、HealthBench 公式ルーブリックで評価(スコアリングに GPT-5 を使用)しました。ベース 16.00% → SFT 31.86%(+15.86)→ SFT+DPO 32.17%(+16.17) と改善し、20Bのオープンモデルながら GPT-4o(32%)と同等水準に到達しています。テーマ別では緊急受診勧奨が高スコア、グローバルヘルスなどが今後の強化余地として把握できています。

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